予防接種とは
予防接種は獲得免疫反応を促し、抵抗力を上げることで、ウイルスや細菌への感染を予防するものです。重症化の予防にも有効で、さらに一人一人が免疫力を高めることで、社会全体の感染症による様々なリスクも低減されます。
特に高齢者の方では、ひとつの病気への罹患をきっかけに、体力や免疫力が落ち、別の感染症にかかってしまったり、その他の合併症を引き起こす場合もあります。そうなると重篤な状態に陥ったり、著しく生活の質を落としてしまうリスクもあります。ひとつの病気を予防することが、健康的な生活の維持に大きくつながります。
当院では、インフルエンザ、肺炎球菌の予防接種を行っています。そのほかのワクチンを希望される方は、個別にお問い合わせください。
インフルエンザワクチンについて
インフルエンザは通常、1週間～10日で症状は回復しますが、免疫力が低下している高齢者の方は、インフルエンザに感染すると重篤化し、入院が必要になる場合もあります。また呼吸器疾患、循環器疾患、糖尿病などの基礎疾患がある方も同様です。
乳幼児や小児の場合、インフルエンザから急性脳症を併発することもあり、後遺症が残ったり、命に関わることもあります。インフルエンザワクチンは、感染の予防効果に加え、重症化のリスクを低減する効果もありますので、インフルエンザワクチン接種をお勧めします。
なお、インフルエンザは、毎年、その「型」がかわり、ワクチンに含まれるウイルス株も、その年のインフルエンザの流行状況を鑑み、毎年決定されています。ですので、予防接種は毎年受けることをお勧めします。
日本では、毎年12月～翌3月頃までにインフルエンザが流行し、ワクチンは効力を発揮するまでに約2週間、その後の持続効果は約5か月であるため、接種時期としては、11月中旬頃までに摂取するのが良いでしょう。
なお、横浜市では、高齢者やお子さんを対象にしたインフルエンザ予防接種費用の一部補助を行っています。 詳しくは 横浜市のホームページ をご覧ください。
肺炎球菌ワクチンについて
高齢者の肺炎の原因として、最も頻度が高いのが肺炎球菌です。そして肺炎は日本人の死因で常に上位に位置していますが、肺炎で亡くなられる方の95%以上が65歳以上の高齢者となっています。つまり、高齢者の方にとって、肺炎球菌ワクチンを接種し、肺炎を予防することは、死亡リスクを大きく低減することにつながります。
一度肺炎にかかると肺は元に戻らず、一旦回復したとしても、再発しやすくなり、生活の質も大きく低下してしまいますので、死亡リスクの低減のみならず、健康的な暮らしを少しでも長く続けるために、65歳以上の方は、肺炎球菌ワクチンの接種を、受けられることをお勧めします。
横浜市では高齢者の肺炎球菌予防接種を行っています。肺炎球菌の予防接種は、1年を通じていつでも受けられることができ、また定期予防接種の対象者については、一部公費負担で接種を受けることができます。
対象者となるのは、これまで肺炎球菌（ニューモバックス）の予防接種を1回も受けたことがない方で、各年度に65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方、および特定の条件を満たしている方です。
詳しくは 横浜市のホームページ をご覧ください。
